『メタルマックス』大好き声優下野紘先生と学ぶ
with 同じくメタル大好きちえきち
本シリーズの魅力を、根っからのファンを自負する人気声優が解説!
『メタル』の魅力は戦車である
——今回、主人公役を演じられた下野さんですが、実は『メタル』が好きで尋きで堪らないといううわさが聞こえてきまして。
下野:あ、聞こえてしまいましたか。そうなんですよね。
——ニンドリ読者には、まだ結構『メタル』を知らない人も多いと思うんです。なので、今回は「『メタル』の面白さと言ったらコレ」というところを下野さんから伝授していただきたいと思っています。
下野:わかりました!では、まず一番大事なところからお教えしましょう!『メタル』の大きな魅力はですね、やはり男の子であればたいへん興味を持たれるであろう、さまざまな戦闘機や戦艦だったりと…そういうものにスポットを当てているということ。しかもそういった中でも、“戦車”をテーマにしたRPGだという点です。これだけはまず覚えてほしいです。
——『メタル』は戦車のRPGであると。下野強力なモンスターに対抗する力。それが戦車です。この戦車を手に入れたときの喜び。これは『メタル』でしか味わえない体験と言っても過言ではないですから。
——なるほど。ところで白石さんと佐產さんは、今作に参加されることになつて初めて過去作『メタルマックス2:リローテッド」(以下2Rを遊ばれたんですよね。いかがでしたか?
白石:率直に言うと、面白かったです!私、RPGは『DQ』しか遊んだことはなかったんですけど、似た香りがして…。
※編注:知るひとぞ知る『メタル』の生みの親である宮岡寛さんは、『DQ』のロト三部作でシナリオのアシスタントやダンジョンを担当。かの「ゆうてい みやおう きむこう」のみやおうその人。
白石:でも、やっぱりその戦車って部分が…よく分からなかったんです。
下野:そうか、戦車…分からなかったか。
白石:分からなかったんです。なので、わたしずっと戦車に乗らないで戦ってたんですけど(笑)。
佐藤:たしか、中盤くらいまで戦車なかったんだよねー?
下野:えっ!?いやいやいやいや!ま、待って。序盤だって戦車ないと結構キツいっすよ?…戦車無しで、よ、よ、く生きていられたな…。
白石:いや、なので、それ以上進めなかったです。もう30時間ぐらいその辺でウロウロして。「敵がどうしても倒せない!」ってなっちゃって(笑)。
下野:読者のみなさん。このゲームは、戦車に乗るとすごく楽に進めるんですよ。マネしないでくださいね。で、白石さんは結局戦車には乗れたの?
白石:途中で諦めて放置してたんですけど、でも佐藤さんが教えてくれたので乗れました。
佐藤:白石さんが戦車に乗れずあたふたしてた時に、翔すでに『メタルマックス3』(必下『3』)を始めてレベル90くらいにしてクリアしていたので。
下野:レベル90!?ふ、2人とも、初見プレイからやり込みプレイじゃないか(笑)。いやいや、でも、後で詳しくお話ししますけど、この自由さも『メタル』の魅力。まあとにかく、『メタル』の魅力は戦車です!戦車に乗ってこそのハンターなんです。ちゃんと村の人とかが教えてくれるはずなのに。白石さん、人の話は聞かなきゃダメでしょ!
男なら(女でも)カスタマイズしないと!
——下野先生。やはり、ハンターといったら戦車なんですね。
下野:そうです。そして、次にお教えしたいのが『メタル』の大きな魅力が、この戦車を“カスタマイズ”できるってことです。この戦車を改造したりといった、プラモデルを造るかのような男の子心。これがほんとうに楽しい。
白石:わたし、その男の子心が、最初まったく分からなかったんです。でも、なんかとりあえず、エンジンをすごいのにすればいいんだって聞いて。そこから楽しくなりました。
佐藤:女の子心的にだって、燃えますよね~。
白石:燃える燃える。攻略本とかを調べたら、エンジンを改造すれば、重たい兵装が詰めるようになることが分かったので、もうすぐに改造したくなっちゃって。
下野:そうです。エンジンの馬力が上がれば、強力な装備をたくさん積める!カスタマイズと聞くと難しそうなイメージがあるかもしれないですが、初めはこれだけ覚えればもう大丈夫!
佐藤:あ、たしかにエンジンさえ大きくすればいいのかも。冒険の途中でエンジンを2つ積めるようになるけど、それだけですごい強力になりました!
白石:たしかダブルエンジンですよね。
下野:君たち、ちゃんとカスタマイズの基本が分かっているじゃないか。でもね、今でこそそういうカスタマイズができるけどね。スーファミ時代にはダブルエンジンっつーシステム自体がなかった。だから、積みたくてもエンジンCD馬力が足りなくて積めない!って兵装が一杯あったんだよ。君たち。
白石&佐藤:ふ~ん。
下野:だからそうなってくると兵装を積むのか、装甲を厚くするのか、とか考えながら作ったりとかね…。
白石&佐藤:そうだったんだ…。
下野:それが今はダブルエンジンに改造することで、いろいろなもの積めるようになって、より自由なカスタマイズができるんです!シリーズ伝統の超重い主砲「サウルス砲」なんかだって、普通に積めるからな!とにかくだ。君たちにとっては、重くて強力な兵装を戦車に積める、いい時代になったんです。
白石&佐藤:なるほど。
下野しかも最近は戦車だけじゃなくて、パーティキャラもジョブを組み合わせて自由にカスタマイズできるようにな
ったからね。あれも、昔はなかった。
——『2R』から導入されたサブジョブのシステムですね。
佐藤:あ、あの…わたし『2R』でレベル90になるまでそのサブジョブのこと、知らなかったんです…。
下野:…えっ!?
佐藤:結構遊んだ頃に、白石さんに「サブジョブがあるんだよ」って教えてもらって…。まさか、戦車にも乗れてない真梨ちゃんに教えられるとは…。
下野:そ、そんなバカな…。ベテランゲーマーみたいな、すごい縛りプレイだ…。
白石:まさか知らないと思わなかったから、何を言ってるんだろう?と思っていたけど、知らなかったんだ…。
——サブジョブがなくても、レベルを上げれば、あの世界でも生きられる…。
佐藤:そうなんですよ、ハイ。
下野:いい時代になったのに(笑)。
荒廃した世界で「賞金稼ぎ」生活って夢だよね。
——いい時代って、大きな話になってきましたね(笑)。
下野:いやあ、大きな話と言えば、次にお伝えしたい『メタル』のキモと言えば、荒廃した近未来という“世界観”です。荒んだ世界や、自分がハンター=賞金稼ぎになって生きる的な。このちょっとアウトローな雰囲気、カッコいいな〜って思いませんか皆さん。
——おっしゃるとおりです。
下野:人を困らせるモンスターを倒したり、有名な賞金首を探して倒して賞金を稼いだり。そんなことができるなんて、まさに「夢」じゃないですか。
白石&佐藤:なるほど…。
下野:さらに言えばですね、舞台設定が文明が荒廃した世界っていうところが最高なんです。もうホント…僕自体が世紀末的な雰囲気が異常に好きっていうところももちろんあるんだけど(笑)。
——個人的にたまらないと(笑)。でも、ファンから人気の高い『2』なんかは、荒廃した世界での仇討ちの物語でしたが、たしかに渋い魅力がたまらないですよね。
下野:そう!ウェスタンなあの雰囲気が『メタル』ならではでいいんですよ。
白石:でも…わたし『2R』をクリアしたんですけど…ラスボスを倒すじゃないですか。でも倒して町に行っても、誰もそのことをほめてくれなくて! •••この
世界を守ったのに、なんか…寂しかったです(涙)。
下野:…ああ!違うんです、そういうのは!それはね、自分で褒めるんです。心の中で、自分で自分を褒めるんです!
一同(笑)
——ゲームに褒めてもらうな、自分で自分を褒めるんだと(笑)。
下野:そう(笑)。エンディングのスタッフロールではですね、シリーズ恒例の演出があるんです。そこでは自分で倒してきたWANTEDモンスターや、入手した戦車が出てくる。僕なんかはそれを見ながらね、嗚呼、これまでの過程でいろいろ倒してきたものだな…っていう、感慨にふけるわけです。「あ~、戦車を手に入れたな」とか「あ~この賞金首、この位のレベルで倒したんだよなあ、もっと早くても倒せたかもしれないなあ」とかいうことを思ったりする!そんな自分をほめてあげたくなるわけです。
佐藤:最後に思い出を振り返って、自分をほめるのが『メタル』の神髄…。
「賞金首」を追いかけるのが楽しんだ!
——つまり、『メタル』の楽しいところは、ストーリーももちろんなんだけど、自分が自由に冒険できるところなんだと。ちなみに下野先生、先ほど「賞金首」という単語が出てきましたね。
下野:お、そうでした。その自由さの象徴かのようなシステムで、僕が大好きなのがこの“賞金首”です。『メタル』の魅力をお教えするうえで、これは外せません。ストーリーとは関係なく、この世界を股にかけて“賞金首”を追いかけるという楽しさ。
佐藤:あの賞金首って、町に手配書が貼られていて、それを調べることで存在に気がつくんですよね。
——このシステムって、まさに西部劇みたいで面白いですよね~。
下野:ちなみにこの斬新なシステムは、初代からあるんですよ。賞金首を倒して報告すると、手配書に「済」ってハンコがバン!と押される演出があるんですが、これがいい!ぜひ読者の皆さんに体験していただきたいです。あれで、「やったね!」って思えるんですよ~。
白石:あれ、ちょっとうれしかった。
佐藤:うれしいよね~。でも賞金首って、思わぬところで出会っちゃうことがあるのがドキッとしますよね。遭遇したときに、いつもと違う戦いの音楽がかかるから、わたしは一旦逃げて、町に手配書を見に行くんです。あいつは賞金いくらなんだろうって。
下野:ああ~。そうなる。
佐藤:そうなんです。すごい金額のやつだってわかると「いまじゃ倒せないや~。あとにしよう」みたいな。
下野:うむうむ。完全にストーリーと関係ないところで、ハンターしてるようだね(笑)。とこんなふうに、賞金稼ぎになったかのような気分が味わえる。これが楽しいんです。
——しかし、こうして見ていると、下野さんはまさに師匠ですね(笑)。
下野:そうですね…僕みたいに昔からハンターやってるような人間からすると、こうして新しいハンターが『メタル』の世界に入ってきてくれるっていうのはうれしくも感慨深くて…。
——そうですね…って、いやいやいやいや!!声優さんです(笑)。
下野:まあそうですが、でもやっぱりヒロイン役と超重要なアンドロイド役と『メタルマックス4』(以下『4』)で共演し、語れる日が来るなんてね。
——でも伺うところによると、下野さんは『メタル』がすごく好きだから、主人公をやりたくて、それこそいろいろなコネクションを使ったとか…。
白石&佐藤:ええ!?そうなんですか!?
下野:そ、そんなことはやってない!ただ…すごいアピールをしまくってたという話は聞きました(笑)。
——ところで白石さんと佐藤さんは、『メタル』出演がオーディションで決まったと伺ったんですが、今回参加されることになってどう思われました?
佐藤:オーディションから1か月ぐらいしてからじわじわと、「あーすごいことになったな〜」って思いました。合格発表も、ふだんと違って、ちよっとサプライズで。
——サプライズ?
白石:まだオーディションが続いているかのような演出のなかで、突如役に受かったよってサプライズで明かされたんです。そのときはただただ、「うわあ」って驚くばかりで。そのあとだいぶ経ってから、「あぁ、なんかすごいゲームなんだ」って。
佐藤:世界観も独特で、シナリオもいただいて読んでみると、すごく濃いんですよ。シナリオには、わたしたちが出てこない世界観の背景設定もしっかりあって。詳しくはまだ話せないんですけど…もう世界観がすごいよね?
白石:そう、ほんとにすごい!
佐藤:だから、その設定を読んだ後だと、ほんとうに集中して掘り下げて、一個一個のセリフを考えながらしゃべらないとな~って、気が引き締まりました。
下野:人が割とバタッとか死んじゃったりする世界ですけど、結構いろいろ考えるところがあるよね。
——収録に臨まれる際のお気持はいかがでしたか?
佐藤:わたしも『2R』と『3』をやり込んで世界観を把握していたつもりではあったんですけど、『4』は「どんな話になるんだろう」ってフラットな状態で。でも『メタル』の世界観をちゃんと表現できるように、とりあえず電車の中でも毎日プレイして移動していました。
白石:いやぁ、わたしはもう、とにかく心臓バクバクでした。
——お2人と重要な役ですものね。
白石:ああ~、今思うとホントもう恥ずかしくて死にたいです。倒れたい!
下野:でも、『メタル』の住人になった以上、死んだら電擊で何度でも復活させられますから(笑)。
——逆ずっとシリーズのファンだった下野さんは、どんなお気持だったのでしょうか。
下野:そうですね…やっぱり学生のころにこんなアツい気持で遊ばせてもらったもので、その作品に出演できるっていうのは本当にうれしいですね。でもなによりも、一番最初に思ったのり正直に言うと、参加させてもらえるりも「あ、『4』出るんだ!」って。
一同(爆笑)
——(笑)。では最後に、これを読んでちょっと興味が出たかも、というそんなニンドリ読者に向けてメッセージをお願いします!
下野:『4』もテストプレイをやらせてもらったんですけど…。
——ああっ。うらやましい!
下野:まあ少ししか遊んでいないんですけど。でもそれだけでも十分すぎるくらいに…これはきっとボリュームいっぱいいっぱいで。みんなやること一杯あり過ぎるぞ!覚悟して待とう!って言いたい。もちろん、僕みたいにチマチマ金属探知機を使いまくる人の楽しみもあります(笑)。
——(笑)。
下野:それが、2人みたいに、初心者の女性がやっても楽しめるっていう。
白石:戦車に乗らなくてもなんとかがんばれましたし(笑)。
佐藤:サブジョブを知らなくてもクリアできましたし(笑)。
下野:今回『メタル』の魅力を伝えまくりましたけれど、きっと遊んでいただければ、ニンドリ読者のみなさんそれぞれの、自分好みの『メタルマックス』の楽しみ方っていうものが必ずあると思います。『4』も、よろしければぜひ!