「メタルマックス」は、なぜ売れるのか。
桃太郎シリーズの企画から開発、販売促進までトータルに手がけるブロデューサー
桝田省治•談
ファイナルファンタジ—、ドラクエといえば、Ⅲ、Ⅳとシリーズ化されたほど人気の高いRPGです。どちらもストーリーをたどって試練を乗り越えていく小説型RPGであり、現在のRPGの主流になっています。しかしこのタイプのRPGは今、大きな転換期を迎えています。
というのも後発のRPGがヒット作のスタイルを踏襲しすぎたあまり、ストーリー偏重のものばかりになったためです。類似RPGの氾濫がゲームファンに与えた失望は、決して少なくありません。
RPGファン人口が巨大化した今、プレーヤーの好みはもう、一様ではなくなっています。日本のRPGにもそろそろいろいろなタイプか出てもいいはずです。今こそユーザーの多彩な趣向に応えた様々なゲームの出現を、誰もが待ち望んでいると言っていいでしょう。
その期待を一身に受けて登場するのが、「メタルマックス」てす。このゲームの特徴は戦車システムによる新しさにあります。人間と戦車という二つのキャラクターが、あるときは一緒に、またあるときは別々に行動する極めてオリジナリティーに富んだシステムです。このMM(Man & Machine)方式こそ、今までになかった革新といえます。
その斬新さをより深く伝えるため、広告展開では座談会形式の記事広告(「MM通信」)とし、「ファミコン通信」誌上に連続10回の出稿を計画しました。その第1回〜5回をまとめたのがこの冊子です。
この「MM通信」では、ゲームのシステム的な部分、概要、世界観を制作途中から発表していき、新タイプのゲームであることを明確にしています。詳しいゲーム情報を読者に正確に伝えるメリットは、ふたつあります。ひとつは、「○△風のゲーム」という先入観による判断を減らせること。もうひとつは、しっかりした中身なので安心して買えるソフトだと解ってもらえることです。
新しいゲーム体験ができるという読者の期待感は、いやがおうにもプレイ欲求を高め、必ず指名買いにつながります。
「メタルマックス」のメインターゲット層は、中高生以上から20代までを想定しています。実は掲載誌に『ファミコン通信』を選んだ理由は、このタ—ゲットにあるのです。
つまり、読者の年齡層が他誌と比べて明らかに高いのです。その結果として中高生、大学生、サラリーマンから大量の投書が殺到しています。このようにターゲットを絞り込む戦略は、「桃太郎シリーズ」等でながい時間をかけて培ったノウハウが活かされており、手ごたえも十分に感じられます。
「メタルマックス」は、知的かつ高度なプレイを要求するゲームです。プレーヤーのなかでも、RPGをかなりやり込んだ人たち、いわぱドラクエ卒業者に深く切り込んでいけることと思います。現在のRPG市場を見回すと、キャラクターもの、続編もののオンパレードです。確かにこれらのオーダーはリスクがなく安全かもしれません。しかし、同じようなゲームをいくつ揃えても、壳れるタイトルは限られているという事実に、すでにお気付きのはずです。
今、RPGファンが何よりも求めているのは、安心して買えるゲーム、新しいゲーム、飛びつきたくなるゲームです。
その起爆剤となる「メタルマックス」にぜひご注目ください。