軟弱RPGに宣戦布告!
おい!ファミコン野郎ども!最近のRPGはつまらないと思わないか?じつはあのミヤ王、キム皇、カルロスも、最近ひしひしとそう感じてした!そして「こうなったら自分で創るっきゃれえせっ!」っとばかり、ついに究極のノメリコミRPG、その名も「METAL MAX(メタルマックス)」の制作を決意したらしいのだ!だが、はたして彼らの野望は達成されるのか!?このMM通信は、血と汗と涙の開発過程をリアルタイムでキミに伝える、感動の記録である!まずはMM通信のスタートを祝し、「自分が遊ぶためにゲームを創る」という前代未聞のわがままを許した男、データイースト株式会社、福田社長の登場だーっ!
データイーストは、トップを目指す!
ファミコン通信の読者のみなさん、はじめまして。私は、データイーストの社長、福田です。皆さんもよくご存じのように、私たちの会社は今まで数多くのファミコンゲームを企画制作してきました。おかげさまで「神宮寺シリーズ」、「ヘラクレスの栄光1・2」など、話題の作品も生まれました。こうしたことは皆さんか私たちのゲームを支持し、プレイしてくださったおかげです。本当にありがとう。
しかし、今まで出したゲームがすべて良かったのか、どれも面白いゲームだったのか、というと正直な話、反省すべき点もたくさんあります。そして私自身「まだまだ不足だ」と思う点もあります。それは何か。簡単に言えば、「データイーストのゲームは皆さんを本当に満足させてきたのだろうか?」という疑問です。もちろん人の好みは十人十色ですから、評価が分かれることもあります。しかし、それを乗越えて誰もが楽しめるゲームを作りたい。これはゲームを作る者の誰もが望みながら、なかなか実現できない願いなのです。だからこそ、データイーストはこの目標に向かってチャレンジすべきだ!と私は考えます。
そこで私は、データイーストを代表してみなさんに宣言します。
わたしはもちろん、ゲームデザイナーもプログラマーも営業スタッフも全員が挑戦者です。そして、ミヤ王、キム皇、カルロス、桝田、各氏と一緒になって、熱い感動を呼び起すゲームを作り上げてみせます。データイーストはやります。ぜひご期待ください。
最後に、ゲームが大好きな読者のみなさん、私たちの挑戦者宣言を応援してください。
ミ=ミヤ王:フリーライター時代に、ドラクエの制作に参加。I、II、IIIとシナリオアシスタントをつとめる。その後、独立て、ゲームの制作を開始。『メタルマックス』チーフデザイナー。本名、宮岡寛。
キ=キム皇:激辛ゲーム評論で業界をふるえあがらせる、恐怖のフリーライタ一!現在ファミ通にも「デジタルトリック講座」を好評連載中。『メタルマックス』共同デザイナーとして、教育的指導を連発!?。本名・木村初。
カ=カルロス富沢:ゲームで身を持ちくずしてフリーライターになったという、幻の製図マン!若手ゲーム作家や有名ゲーマーとも親交があり、気鋭の新進デザイナーとして将来を嘱望されている。『メタルマックス」共同デザイナー。本名、とみさわ昭仁。
司=司会者・桝田省治:桃太郎チームの副将軍として、『桃太郎シリーズ」、『忍者らホイ!」を制作。『天外魔境Ⅱ』のゲームデザイナーにも決定したらしい。『メタルマックス』では、プロデューサーとして、らつ腕をふるう予定!
もう黙っちゃいられない!
俺たちは本物のRPGをめざす挑戦者だ!
エンディングに行かせない
難解ゲームが多すぎるぜっ。
司:たしかにRPGは流行ってますよね。
キ:じっさい、売れてるらしいからね。ほかのジャンルのゲームにくらべれば。
カ:売れるってことは、つまりみんなが待ち望んでるってことでしょう。
ミ:だけど、どのRPGをやってみても、なんかいまいちノメってかないんだ。
カ:バカみたいに簡単だったり、かと思うと「こんなの誰が解けるんだよ!」みたいに、極端な設定になってたり。
キ:簡単であることと、親切であることをはきちがえてる気がするね。
ゲームに熱中る経験が、
次代のゲームを生み出す。
ミ:昔やったウィザードリィ(注:Apple版)は難しかったよ。なんせ英語だったし。(笑)ゲーム自体、いまみたいにポピュラーな存在じゃなかったしね。でも、あればノメった。こんなことしてちゃいけない、と思いながら、ぐいぐいゲームの中に引っ張り込こまれてくって感じだったれ。
キ:夜中の2時とか3時とかに、よくミヤ王と電話で報告し会ってさ。「シュリケンってしってるかぁ?」(笑)
ミ:まずノームの僧侶で始めるのがいちばん有利だって理論を、よく電話で聞かされた。(笑)
カ:ぼくはアップル持ってなかったし、そこまでのウィズ体験はないんだけど、やっぱり、ゲームに心底ノメりこんだときの興奮は、忘れられない。ノメっていくときのあの感覚は、ほかの娯楽ではちょっと味わえないでしょう。
ミ:それはある!よくこんな話をしていると、「それはあの時代にあのゲームだったから」みたいな結論になる。でもそれであきらめてしまったら、TVゲームは遊ぶじゃなくなって、ただの商売になっちまうぜ!
キ:たしかに、ぼくらがいまウィズをやっても、きっとあのときと同じ興奮は味わえなにと思う。だけどべつの興奮や、似たような興奮や、新しい興奮を感じることはできるはずだよね。
カ:「メタルマックス」は、ノメりこめるゲームにしたいですね。
メッセージを替えただけの
焼き直しRPGが続出だ!
キ:最近すごく多いのが、同じシステムなのに違うゲームみたいにみせてるだけのゲーム。手抜きとしか思えないね。
カ:そう!なんとかのつるぎを手に入れると中世で、それが光線銃ならSFだという。
キ:もー、ほとんど、アイテムの名前とセリフが違うだけ。
司:それでも、おもしろけりゃいいんだけどね。
カ:ハマれない、ノメらない。
キ:飽きてるってのもあるよね。それ1本だけならそこそこ遊べるゲームでも、似たようなゲームが山ほどあると、ああまたか、だもん。
ミ:いいゲームをパクるのは、決して悪いことじゃないと思う。ただ問題なのは、みんなが同じゲームをバクっちゃってることだよね。
カ:いまは二つの流れしかないでしょう。「イース」の系統と、「ドラクエ」の系統。
ストーリー重視の風潮が
RPGのゲーム性をゆがめている!?
ミ:ところがそれはゲームの基本システムが違うだけで、大きく考えると一つの流れなんだ。両方とも、ストーリー重視のRPGだから。オレはそこに強い不満を感じるわけ。何もストーリーをみせるだけがRPGじゃないと、思わないか?
カ:ストーリーだけで勝負したら、映画や小説には絶対かなわないですからね。
ミ:どんなことするかわらないプレーヤーに、無理やり一本道の話をたどらせようとすると、自由でなくするって方向しかないわけ。
キ:でもって、誰でもストーリーを追えるように、簡単な謎だらけになるぞ、と。
ミ:ところがあんまり簡単で早く解けすぎちゃうとマズいんで、ダンジョンが妙につらく作ってあったり、レベルをあげるのがやたら大変だったりするぞ、と。
カ:ストーリー性が強くなればらるほど、ゲーム性は薄れていっちゃうよ、と。
METAL MAX
俺たちの挑戦状だっ!
司:それでも売れるから、みんな同じ方向に向かって走ってるんだよね。軟弱といえば軟弱だよな、メダカの学校みたいでさ。
キ:ひとつくらい、あえで時流も逆らうゲームがあってもいいんじゃないか?
ミ:我々は、ただ我々の目指すところの興奮を求めて、RPGの王道を突っ走ろうぜっ!
カ:「メタルマックス」は挑戦する!
キ:我々4人のゲームバカは、正々堂々、ストーリーに頼らないRPGを作ることを誓いますっ!
※次回のMM通信は、「これがメタルマックスだ!」を放送予定。どうぞお楽しみに!
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