このゲームのここに注目だっ!!
「なるだけドラクエやFFと違うものが作りたかったんですよ」
従来のRPGの常識をことごとく打ち破る異色ずくめのギャグゲーム、『メタルマックス2』。そのゲームデザイナーであるミヤ王こと宮岡寛氏に、メタルマックスシリーズに対する熱い思いとRPGの今後について語ってもらった。
宮岡寛
プロフィール
1958年生まれ。大学中退後ミヤ王の名前でライターとして活躍。堀井雄二氏に誘われ、ドラクエシリーズの製作に携わり、以後ゲームデザイナーとなり現在にいたる。
――最近プレーしたなかで、このゲームを作るうえで影響を受けた作品はありますか?
宮岡寛(以下、宮岡): べつにこれといってはないですね。ただ、いままでやったゲームのすべてに、影響を受けているとは思いますけど。そういった意味で『メタルマックス』は先祖帰り的なゲームと言えないこともないですよ。
――と言いますと?
宮岡: まあ、いまのRPGの流れは『ウィザードリィ』に始まってどんどんストーリー偏重の方向にいっていると思うんですよ。『メタルマックス』の場合は、その流れに逆行しているんですよ。
――ゲームの部分にこだわったというわけですね。
宮岡: というか、ゲームの売り上げなんかからみても、最近のRPGをする人たちはお話を求めていると思うんですよ、遊ぶ大前提としてね。
僕自身、『ドラクエ』や、『FF』をやってると熱中し過ぎちゃって仕事が手につかなかったりしていますから、それはそれでいいと思うんですよ。ただ、全部が全部そうなっちゃうと、業界も発展しなくなるというか、個性がなくなっちゃうと思うんですよね。
それでなるべく『ドラクエ』や『FF』とは、違うものが作りたかったんですよ。そうすれば、たとえばRPGが好きな人がいたとして、最初『ドラクエ』で遊んで、『FF』もやって、そのつぎに『メタルマックス』で遊べば、全然毛色が違うんで、当分のあいだ新鮮な気持ちで楽しんでもらえると思う。
それでそのうち、また『ドラクエ』なり『FF』なりの新作で遊んでもらえば、ほら、上手に回るじゃないですか。それで、感動方面のほうはすごいもの作る人がいっぱいますから、それはそちらにおまかせして、僕はヘンなものや変わったものを作りたいと思うわけです。まぁ半分はユーザーの感覚でゲームを作ってますね(笑)。
――『メタルマックス2』でとくにアピールしたい点はありますか?
宮岡: そうですね、とにかく自由であるというにつきると思います。たしかに、最初主人公には復讐という目的が与えられてはいるんですけれど、だからといって最後まで復讐だけを目的にすることはないんです。戦車の改造に精を出すのもいいし、インテリアを買いそろえることに専念してもかまわない。それに、べつに仲間を増やさなければ先に進めないとか、戦車に乗らなければいけないということもないんです。
――今回も嘘のエンディングがありますよね。マドの町である人の誘いに乗ると、そのままエンディングになってしまう。
宮岡: あれはですね、フェイクエンディングと呼んでいるんですが、終わる自由というのもあっていいんじゃないかということなんです。ふつうゲームを始めたのにエンディングが見れなかったりすると、そのゲームを投げたということになってしまいますよね。それでプレーヤー自身もなにか、もやもやとしたものを感じてしまう。それで、プレーヤーが自主的にゲームを終わらせるときに、もっとスッキリ終えることができるようにと考えたんです。
――べつに無理してすべてのイベントをクリアーしなくてもいいというわけですね。
宮岡: ゲームをする人がきままに、勝手にプレーできるゲーム。それが『メタルマックス』なんです。
――『2』の特徴として、犬が仲間になりますよね。
宮岡: 主人公の職業がモンスターハンターなんで、猟師が猟犬を連れているイメージで、今回パーティーのメンバーに犬を加えてみました。戦闘モードでは、犬は勝手に行動します。
――そういえば、犬には、けヅヤっていうパラメーターがありますけど、あれはなんの意味があるんですか?
宮岡: 犬がきれいに見えるんですよ。
――画面上でですか。
宮岡: いや、画面上では変わりません。
――それじゃあ、ほとんどなんの意味もないってことですか(笑)。それなら、犬がいま好きな人が表示されるんですがそれは?
宮岡: 最初は好きな人が戦闘でピンチになったら犬が助けるっていう設定だったんだけど、やってみてどうでした?
――そんなことは一度もありませんでしたよ。
宮岡: じゃあ、反映されてないんですね。
――まったくスゴいゲームですね。
宮岡: 今回、いろんな遊びをゲームの中に取り入れてますが、その遊びにあんまり意味がありすぎると遊びにならなくなってしまうでしょう。だからあえて意味のないものを取り入れてみたんです。
――今後ゲームの世界に採り入れてみたいものはありますか?
宮岡: いまは現代をテーマにしたものを作ってみたいと考えています。ちょっとまえまでは、現代を舞台にしたものは辛いんじゃないかなって思ってたんですが。
――たとえば、どんなジャンルのものですか?
宮岡: アクション映画っぽいのを作ってみたいんですけどね。漠然とですけど。やりかたによってはおもしろいものになると思いますよ。それというのも、今回『メタルマックス』の中でエレベーターを使ったシーンがあるんですが、それがけっこう気に入っているんですよ。演出的にも、ビジュアル的にも。それで、エレベーターという非常に現代的なものを使って、RPGでこれだけの演出ができたんだから、もっと工夫すれば、もっといいものができるんじゃないかなと思うんです。
――そういえば、『FF』にも、エアダクトを使ったシーンがありましたよね。
宮岡: あれについては、うちではメインで使った仕掛けを、『FF』では使い捨てちゃっているんで、すごいなぁと感心させられました。
――問題発言ですよ、それは。
宮岡: 少し『FF』の話をすると、『V』で採用されているアビリティシステムって、個人的にとっても好きなんですよ。作り手側の感覚で考えれば、よくもまあこれだけ指定したなと思いましたね。メタルマックスの場合ストーリーの自由に気を使ったけれど、今回の『FF』はストーリーがわりと一本道だった代わりに、キャラクターが自由に変えられるんで、こういう方法もあったのかと思いました。
――キャラクターを自分が好きなように作れるという点では、『メタルマックス』の戦車の改造に通じるものがあると思うんですが。
宮岡: そうですね。『2』では、戦車自体の改造だけでなく、戦車に搭載できる武器までも改造できるので、かなり凝った改造をすることができるようになっています。
――最後にファミ通読者に対してひと言お願いします。
宮岡: 『メタルマックス2』は、復讐という暗いトーンで始まるギャグソフトです。奇妙な人物や変なものが登場するので、気持ち悪がったり、おもしろがったりしながらゲームを楽しんでもらえれば、とってもうれしく思います。ゲームをプレーしたあとで、ぜひ感想を聞かせてほしいですね。
今回、宮岡氏がいちばん心がけたこと、それがナント!家の中にある冷蔵庫や、タンスの扉をちゃんと開け閉めできるようにするということだった!家捜しという行為をここまでリアルに再現したゲームがほかにあっただろうか?さすが子供のころ扉の開け閉めについて厳しくしつけられた?宮岡氏ならではといえるかもしれない。
またマリリンという女のコにあることをしてあげると、あるRPG史上初と思われるとてつもないアイテムが手に入り、そのうえ主人公がマリリンの〇〇と呼ばれるようになるというイベントがあるのだ。これも宮岡氏のお気に入り。
〇〇とか、あるとかいう文字ばかりで何のことかよくわからないだろうが、男の夢ともいえるこのイベントに出会ったとき、あなたが男だったら、ニンマリしてしまうかもね。女だったらちょっぴりムッとするかもしれないけど。
(插图旁白1): 冷蔵庫やたんすを開けると、ときどきへんなアイテムが手に入ることがある。
(插图旁白2): 彼女の願いをかなえてあげると、ちょっぴり大人の体験をすることができるのだ。
残念なことに、現在のところ『メタルマックス3』の製作予定はたっていないそうだ。
では、宮岡氏が現在製作中のゲームはというと、まだタイトルも発売日も未定だが、中世を舞台にした、とってもヘンなRPGが企画進行中とのこと。
このゲームの内容等については詳しく教えてもらうことはできなかったが、いままでのRPGとは全く違う内容で、宮岡氏ならではの奇抜なアイデアが満載されているということ。
ちょっぴり具体的な内容も聞けたのだが、いまは秘密にしておいてほしいと言われ、掲載は残念ながら不可。
いままで発売されたゲームの中に似ているタイプがひとつもないというまったく独創的なこの謎のゲーム、新しく発表されるゲームにまったく新鮮味が感じられなくなってきているゲーム業界に、新風を吹き込むことができるのだろうか。期待して詳細が明らかにされる日を待とう。
(吹き出し/旁白):
ドラクエに代表されるような中世風のRPGになる予定のようだ。
メタルマックスのギャグセンスはそのまま引き継がれるのだろうか。